2016年06月07日
2015年関西旅行(14完結編) 石山寺は紫式部ゆかりの寺!
参道を進み、受付で拝観料を納めると、池の先に本堂に上がる石段があります。
石段を上がり左に折れて、さらに石段を上がったところに本堂があります。
こちらが本堂で、清水の舞台ほどではないと思いますが、結構高いところにあります。
木が鬱蒼と茂っているので、それほど高くは見えないので高所恐怖症の人にも安心(?)です。
石山寺は、紫式部ゆかりの寺だそうで、紫式部は新しい物語を作るため、石山寺に7日間籠っていたそうです。
この本堂内にある「源氏の間」は、かつて紫式部がその窓から十五夜の月を眺めたときに、霊感をうけ源氏物語の構想を得たと伝えられているそうです。
もっとも本堂の建物は当時からのものではなく、没後に再建され後に増築されたものだそうですが、それでも最古の部分は1000年近い歴史のある建物には違いなく、国宝に指定されています。
「石山寺と紫式部展」という展示があるということで、さらに石段を上がります。
そうすると、高野山で見たような立派な多宝塔が見えてきます。
石段の上にあったのは「多宝塔」です。
建久5年(1194)に建てられ、建立年代の明らかなものとしては日本最古の多宝塔なのだそうです!
源頼朝が寄進したものといわれ、800年以上もこの姿で建っているのだと思うと、歴史の重みを感じます。
瀬田川や琵琶湖を望む崖地に建っている建物が「月見亭」で、それにつながる平屋の建物は茶室となっていて「芭蕉庵」と名付けられています。
元禄年間に松尾芭蕉が度々石山寺に訪れ、この地に滞在したと伝えられていることにちなんでいるようです。
建物自体は明治時代の建築ですが、好ましい雰囲気ですね。
そして、「月見亭」は後白河上皇の行幸に際して建てられたそうで、近江八景の1つ「石山の秋月」を描いた浮世絵などに登場しているそうです。
(建物は再建や修理を経ているので、後白河上皇の時代のものではないようです。)
毎年中秋の名月に「秋月祭」が行われていて、ここから中秋の名月を観るそうです。
風流ですね。
残念ながら月見亭には普段入れないので、そこから景色を眺めることができませんでしたが、だいぶ木に隠されてしまうものの琵琶湖や瀬田川を望むことができました。
「石山寺と紫式部展」が開催されていた豊穣殿は、山の最も上の方にありました。
高校時代以来古典文学など触れたことがない自分にとっては、それほど印象には残りませんでしたが、歴史が大好きで小学生の頃から源氏物語を読んでいた上の子にとっては、とても興味深かったようでなかなか出てきません。
豊穣殿に入りもしなかった下の子がいい加減退屈した頃、ようやく出てきました。
両親ともに興味が無い分野に子どもが興味を持つというのも、不思議な感じです。
やはり別の人格なのだなあと感心しきり。
子どもにとっては親が知らないことを知っているというのは自信につながるようです。
親としては頼もしくもあり、寂しくもあり。
どんな大人になるのやら。
境内の奥の方には、紫式部の像がありました。
本堂あたりは参拝客が多いですが、ここまで来る参拝客はあまりいません。
私も子どもが源氏物語好きでなければ、ここまで来なかったでしょう。
子どもは像の前で写真を撮れて満足そうです。
境内の最も奥の方に「龍穴の池」という池があり、中島に「八大龍王社」という社が建てられています。
龍穴は、炎天下でも雨乞いをすれば必ず雨が降るといわれる池らしいです。
この辺りは湧水が豊富らしく、沢筋に沿って水が流れています。
秋の彼岸も近い時期だったので、ヒガンバナがあちらこちらに咲いていました。
沢筋に沿った石畳の道を下って行きます。
「無憂園」という名前の庭園があり、ここに様々な木や花が植えられています。
ここには、南天の実が赤ではなく紫色になったような木がたくさんありました。
きれいな紫色をした実がたくさんなっています。
調べてみると、この木は「ムラサキシキブ」というシソ科の植物でした。
紫式部ゆかりの石山寺にふさわしい木ですね。
本堂の足もと辺りまで戻ってくると、「補陀落山」と呼ばれる観音菩薩の住処、西国三十三所札所観音霊場に続く道があります。
その途中から「雅の台」という展望台への道が通じています。
この「雅の台」から谷を挟んで正面に本堂を望むことができます。
ただ木々が生い茂っているので、やはり本堂の全貌を拝むのは難しいです。
ようやく広い石山寺の境内を一周し終わった頃には、拝観時間終了の16時半が近づいていました。
東大門を出る手前に「拾翠園」という庭園があり、その中にある「淳浄館」という建物の中で、源氏物語に関する展示をやっていたので、上の子がこれも見たいと言うので立ち寄りました。
「54歩で読む『源氏物語』」という展示で、石山寺が所蔵している源氏物語の挿絵54枚にあらすじがついていて、「桐壺」から「夢浮橋」までのパネルを1歩ずつ進んで読むと、源氏物語がたった54歩で「完読」できるというユニークな企画です。
私も時間があればゆっくり見たいところですが、拝観時間の終わりもそうですが帰りの新幹線の時間も近づいていました。
シルバーウィーク中なので、指定席を予約した新幹線に乗らなければ京都からは確実に立ち席でしょうから、何としても間に合わなくてはいけません。
54歩で完読できるとはいっても、源氏物語大好きの上の子は1歩に1分以上かかっていて、このペースではとても間に合いません。
せっかく興味を持って観ているのに可哀そうだとは思いつつも、京都駅に着かないといけない時間から逆算したタイムリミットを決めて、その時間になったら見るのを止めて帰ると約束させました。
結局、最後まで読み終えられなくてかわいそうなことをしましたが、初日の宇治の源氏物語ミュージアムと、最終日の石山寺に来られて、本人としてはそれなりに楽しかったようで良かったと思います。
ギリギリまで展示を見ていたので、参道を急ぎ駅に戻ります。
何とか京阪電車に間に合い、JR石山駅から京都駅に出て、八条口の「プリンスホテルウェルカムカウンター」で大津プリンスホテルで預けた荷物を受け取り、お土産と夕食の駅弁を買って新幹線ホームに上がると、もう予約した「のぞみ」が入線するところでした。
目いっぱい観光に時間を使ってしまったうえ、予約できたホテルの都合から関西各地を転々としてゆっくり食事をすることが少ない旅行でしたが、家族それぞれが好きなことができたという点では良かったと思います。
次の旅行はもっと早くホテルを予約して、滞在型の旅行にしたいところですね。
(2015年秋 関西旅行記 おわり)
【2015年秋 関西旅行シリーズ】
2015/12/20
2015/12/27
2015/12/30
2016/01/05
2016/01/11
2016/01/15
2016/01/17
2016/02/10
2016/02/23
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Posted by Science_City at 00:44│Comments(0)│関西
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