研究学園の旅人

（１）からの続き

香取神宮に参拝した後は、佐原の駅近くの駐車場に車を置いて、佐原の街歩きをすることにしました。
佐原の街は、佐原街道と小野川沿いに古い街並みが広がっています。



その小野川沿いに、精巧な日本地図「大日本沿海輿地全図」を江戸時代に完成させたことで有名な伊能忠敬の旧宅があります。
昨日放映されたブラタモリ「“ちばらき”～“ちばらき”はニッポンの要！？～」で、タモリさんと林田アナウンサーが元国土地理院長の星埜由尚氏と合流した場所がここです。

ちなみに、川の向こう側に伊能忠敬記念館があります。

伊能忠敬の旧宅は小野川の右岸側にあります。
入場は無料です。



伊能忠敬が17歳から50歳まで過ごした家で、国の史跡に指定されています。
昭和20年代まで伊能家の子孫が住んでいたそうです。



店舗部分は意外とこぢんまりとしていました。



左が店舗部分、右が書院部分です。
ひととおり見て回って、川の向こうにある伊能忠敬記念館に向かいます。



旧宅と記念館の間に架かる橋は、「樋橋（とよはし）」という橋で、用水を川向こうに送るための樋を兼ねた橋です。
樋からあふれた用水がジャージャーと音を立てるので、「じゃあじゃあ橋」と通称されていたそうです。

今の橋は観光用に造られたもので、30分ごとに水が落ちるようになっています。



この橋のたもとから小野川舟巡りの舟が出ています。
このあたりは観光客がたくさんいます。



樋橋から記念館までの道は石畳風の舗装が整備され、古い建物を改装したカフェもあって良い感じです。



この石畳の道の先に伊能忠敬記念館があります。
入場料は大人500円、小中学生250円でした。
水郷佐原山車会館との共通入場券もありますので、両方入館する予定があれば購入した方がよいと思います。



ちなみに館内は撮影禁止ですので、写真はありません…
ブラタモリをご覧になった方は、雰囲気は伝わったのではないかと思います。
地図好きにはたまらない博物館で、地図が好きなら行って損はしないと断言できます。

江戸時代の測量学は天文学と密接な関係にあることがわかって、興味深かったです。
昔の測量は昼に長距離を歩いて測量し、夜に天体観測をして緯度を計測するというなかなかハードなものだったのですね。

人間の手足と目に頼る測量法で、200年以上も前によくあれだけの精度の地図を作ったなと感心します。
シーボルトが禁制品にもかかわらず持ち帰ろうとした気持ちもわかりますね。



記念館の裏には、伊能忠敬の像と象限儀のオブジェがあります。
象限儀は四分儀とも言われ、昔の測量の道具です。
地図の作成にも使われましたが、航海で現在地を知るためにも使われました。
88星座の1つにもなっていますね。



そして、一等水準点も設置されています。
もともとは幹線道路である香取街道沿いにあったそうですが、伊能忠敬ゆかりの地に移設したのだそうです。

佐原は歴史的街並みという意味でも楽しいですが、地図好きにも楽しい街でした。
きっとタモリさんもブラタモリで訪れて、堪能されたのではないでしょうか？



（３）に続く